窪みが大好きで

私は長い事、国産のデジタル一眼レフなどをメインに使って来たので、右手ですっぽりと包み込むグリップが普通だと思っていました。

D810のグリップ

デジタル一眼レフD810
デジタル一眼レフD810

デジタル一眼レフカメラのグリップはバッテリー格納の部分がそのままグリップに利用されており、右手片方でも小三元標準ズームレンズ装着のフルサイズ一眼レフが十分に持ち歩けるフィット感です。

ソニーRX1RM2の別売サムレストの場合

RX1RM2のサムグリップTGA-1
ソニーRX1RM2は別売サムレスト必須

私はRX1RM2は購入状態ではとても持てる感じがありませんでした。
フルサイズとして画期的な小型なボティーにした弊害で、右手の親指のかかる面積はコンパクトデジカメそのものの小さな部分でした。

しかしRX1RM2はコンデジといえどもフルサイズセンサーに対して、F2.0の明るさのレンズを装備しているので、そのイメージサークルの大きさからレンズの重量もコンデジとしては重い感触でした。単焦点レンズですから一眼レフで見たら軽いレンズですが、コンパクトデジカメのサイズ感のボディーに対してはヘビー級に体感されます。

そこで私はソニー純正のサムレストTGA-1を装着してました。

これで格段にRX1RM2の持ちやすさは改善されましたが、如何せん、別売品なので、若干のがたつきがありました。取り付け位置もアクセサリーシューと付近の突起との合わせ技で何とか装着されている細かい細工が見事ではあるものの耐久性はちょっとだけ不安でした。

そして何よりも、使うときに右にレバーを倒す、使い終わったら左にレバーを倒す、それが面倒臭かった。そうしないと純正のカメラケースに収まらないからです。

TGA-1使い心地は

標準状態のRX1RM2に対して格段に向上するものの、あくまでも小型軽量ボディーの欠点を無理やり補うアイテムでしかなく、使い心地が良いとまではいえなくて、やっと持てるカメラになった感じでした。

全体的なサイズが小さいことは、見た目のコンパクトさは見事で防湿庫に入っていても観賞用としては良いし、持ち歩きにも普通のバッグにも入れられるので良いのですが、実際に使うカメラとしては問題が残る気がしました。

RX1RM2ユーザーの方から使い易いと言われるかもしれませんが、私の手のサイズには合わないだけですので、個人の感覚としてご了承ください。

サムレストの操作の面倒だという印象も、好きな人にはその操作自体が楽しい体験かもしれませんし。

ライカQ2のグリップ

LeicaQ2お気に入りポイント(窪み)
LeicaQ2お気に入りポイント(窪み)

前置きが長くなりましたが、肝心のライカQ2のグリップですが、購入したままの状態でサムレストを追加せずに十分使える実用性があります。

片手で振り回せるD810の深いゴム製のグリップとは確実性では比較になりませんが、堅牢なマグネシウムボディーそのものがグリップになっているQ2は強く握っても壊れる心配もなく、男性の親指のサイズで全く違和感なく持てる窪みです。

RX1RM2の購入状態での心許ない小さくてゴム製の右手グリップとは雲泥の差ですし、RX1RM2のサムグリップをつけた状態と比較しても、明らかに写真を撮るための当たり前のサイズ感であるQ2に好感を持ったのが正直な気持ちでした。

LeicaQ2お気に入りポイント(窪み)
LeicaQ2お気に入りポイント(窪み)

カメラとして当たり前のサイズ感

こうして、D810、RX1RM2、Q2と三種類の異なるサイズ感のカメラを触って私なりの結論は、カメラは使う道具だから当たり前に必要なサイズ感がある。

小型軽量も山歩きや女性には重要なポイントだとは思いますが、しかし、だからと言って男性の手には持ちにくくなる程の小型化は何か方向性に間違いを感じました。

RX1RM2も気に入っているカメラなのですが、キャラが大きくかぶるQ2を買った理由が、このサイズ感にあることが一番の要因でした。

高品位なボディー感触

ここまでグリップ性能を中心に語って来ましたが、Q2購入して数ヶ月経過して、一番大事に思う点があります。

この窪みの部分を見る都度、気分が上がります。

持ち易いこともありますが、その性能だけ見たらD810が数段上です。

でもD810のグリップに萌え感はありません。あくまでもD810のそれは機能美だけです。

Q2のグリップ部分は、機能性ではD810のグリップ性能に劣るものの、ボディーと一体化したシンプルな設計。

そこから来る美しいボディーライン。

塗装の美しさの極み。

無駄に美しい形

このボディーの質感がQ2の魅力であり、質感を高めるのは塗装だけではなく、ボディーラインの美しさだと思います。

正直言って、フィルムカメラではないQ2が、ボディー両端が丸い形状である必然性はありません。おそらく昔のLeicaがフィルムを装填する時の形状に合わせた形状だと思うからです。

でも、この無駄に美しいボディーラインが、機能性だけではない美しさがライカの魅力の一つになっていると思います。