妥協の無い設計

私は評論家でも無いし、1人のユーザー感想では有りますが、40年以上の間多くのカメラを触って来た経験と、今回、初めて手にした Leicaカメラの体験の違いがある事が不思議でした。

その理由が購入1年くらい経過した今になって分かって来ました。

国産カメラも良い

これまで使って来た国産カメラ達も、ハイアマチュアやプロが使うレベルも含まれるので、素晴らしいハイグレードな製品でした。

それでも、いくら惚れ込んで予算も頑張って買ったカメラでも、暫く使っていると、コストなどから妥協した?と思われる残念な部分が見えて来て、少しずつ熱が覚めてしまう物でした。

それはデジカメとして常識的に限られた予算があるし、そこから逆算したコスト限界の中でエンジンたちが努力した結果の仕方ない妥協点だろうと思います。

カタログスペックは申し分無いのに、見え難い箇所は安っぽい造り、ひ弱な部品があったり、微妙に使い難いスイッチは設計段階で、もう少し何とか工夫の余地なかった?と思う詰めの甘さを感じたりする事も有りました。

それでも凄いと思う

でも、国産デジカメは、この価格でこの性能で、こんな素晴らしいカメラを提供してくれたメーカーには感謝してました。

自分で40万円もらっても、D850とかRX1RM2なんて絶対作れないですもん。当たり前ですが。

つまり国産カメラは、我々庶民から見て、常識的な価格範囲で造ると言う縛りの中で、最高の物であると感謝してます。

でも、あくまでも限りある予算の中で。

初のLeica体験

これまでの国産カメラでも上記の如く、価格とのバランスとして満足していたのですが、今回初めて思い切ってLeica Q2を買ったら、何故か知らんけど、購入した日がピークでは無くて、買った後の方が、見慣れて来てからの方が、むしろ、日々、徐々に細かい素晴らしい部分が見えて来てます。

Leica Q2に飽きるどころか益々好きになる不思議体験でした。

約1年で見えて来た

私は鈍感ですし、適当に使っていたので、分かるのに月日を要しました。

それとデジカメとはこう言う物と言う固定観念があったのか?Leicaの素晴らしい造りが見えて無かった部分もあったかも知れません。

やっと最近になって、ああ、素晴らしい!飽きないのは、そう言う訳なのか。と思う事が出てきます。

使うほどに良くなるのは、Leica Q2と言うか、Leicaは、ネームバリューで高いだけでは無く、設計も製造もコストを理由にした妥協は一切無いのでは?

と思い付きました。

過去のカメラ体験で、買うまで見えなかった短所が使うほどに出た来た残念ポイントはLeica Q2全く無い。あくまでも私の個人的感想。

今まで繰り返してきた購入後の嘆き

コスト的に仕方ないよね。文句は言えないな。

そんなユーザー側の心の中の妥協や我慢を強いられる様な残念ポイントは、今のところLeica Q2には見当たらない。

1年近く利用して来て、今でも時々見つかるのは素晴らしいなあ。と言う嬉しい部分ばかり。

スイッチの操作性、感触、細部に渡る造りの美しさ、良く考えたユーザーインターフェイス。

Leicaは、本当にカメラの好きな設計者が、予算関係無く、一切の妥協さずに、好きなカメラを作り上げたのでは無かろうか?

とLeica社の内情など全く知らない私が空想するようなカメラでした。

まるでディズニー

全くジャンルが違うので、同列に書いて良いのか?分からないです。

でも、私はディズニー好きでもあるので。

ディズニーリゾートに行くと、ランドホテルもミラコスタもランドも、シーも、その全てに共通ひて言えるのは、妥協無く、物語の微細な事にまで拘った造り込みです。

アトラクションに乗るのに、延々と1時間も並ばされても耐えられるのは、並んでいる通路からして既にストーリーは始まっていて、待たされている時間も物語に入り込むから。

乗り物から降りて、外に向かう通路すらも、単なる連絡通路では無く、まだ、アトラクションの物語は続いている。

その為に通路が、まるで映画のセットのように妥協なく作り込まれている。

むしろ、ファーストパスだったり、ガラガラで待ち時間無しで、通路を早歩きで乗り物まで来てしま場合、途中の景色を楽しめなかった事が残念に感じられる事も有ります。

この素晴らしい建造物の物語が出来ているのは、ディズニーの世界が好きで、ディズニーの物語に精通した設計者がいて、我々ゲストが心から楽しめるように、彼も楽しみながら、でも、妥協無く作ってくれたんだろうと。

Leica Q2の造りの良さ、細かい細部までの素晴らしい造りは、この感覚と似ているなあ。

と思いました。

Leicaカメラの価格が国産カメラと比べたら非常識な価格に見えるけど、カメラ好きが本当に好きなカメラを造るには、必要な価格設定だろうと。

私のこの1年間、日々増える一方のLeicaが好きになる気分の良い体験は、国産カメラとの価格差以上の物はあったと思います。

単に性能、スペックだけ比べたら、おそらくオートフォーカス機能の面でも測光方式の複雑さにおいても国産の半額以下のカメラの方が少し上だと感じます。

でも、それでもLeicaは価格相応以上の満足感だなぁと思いながら書いてます。

複雑なプログラムは国産カメラに負けるとしても、カメラとしての使い易さ、趣味として写真を撮る楽しさ、カメラを触る楽しさは、シンプルで造りの良いLeicaには独特な味わいがありますね。

そうは言っても、まだ、M型 Leicaは手が出ないけれど、そして、あの魅力的なマニュアルフォーカスは、私は手に余るとは思うから、たぶん買わないけど、きっと買って見たら素晴らしいんだろうなあ。

とは思います。

誰かプレゼントしてくれたら嬉しいなあ。(笑)

コスパについて

最後にLeica Q2のコスパに触れたいと思います。

私は実際に購入する前は、コスパは悪いと覚悟して書いました。

しかし、購入1年の今は、70万円は出したけど、そのお金が減った訳ではなく、Q2と言う素晴らしい形になって残っていて、むしろ増えたくらいな気持ちです。

つまりコスパは良いです。

今までのカメラと異なり、買った後で価値がどんどん下がるのではなく、使うほどに価値が上がる。不思議なコスパです。